三章 翌日、始まる毎日

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「まったくムカツク野郎だね」 「そうでもない。普段はいい人だ」 僕はその女の子に腕を掴まれる。そして僕を引っ張って連れてゆく。 ここの住人はみんなこんなに強引なのか? やはり地方はひと味違う。僕の住んでいた街とは全然違うぜ。 僕は引きずられるように女の子に連れていかれた。 「………」 「あんたは二階の部屋をやるんだよ!」 「………」 「返事は?」 「………」 「今さらなんか文句でも?」 「……いや…」 「なら早く行け。二階に京介がいるから」 僕は掃除機を持っていた。しかもすごくでかい奴だ。 そういや昨日、そんな契約をさせられたんだった。 ここに住ませてもらう代わりに、ここの労働を手伝うと。 「はぁ…」 不意にため息が漏れた。あのちびっ子の生意気さ加減と、この理不尽な労働に朝から疲れたからだ。 「ってか京介って誰だよ」
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