三章 翌日、始まる毎日

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でももうどうしようもない。諦めて僕は二階へと上る。 二階は基本的に大したものは見あたらない。部屋が一列にズラッと並んでいるだけだ。 その通路を一人で掃除している男がいた。 「あ、おはようございます」 僕は元気よく挨拶をした。 彼はその掃除を一旦やめると、僕の方を見て笑顔になる。 「おはよう。秀樹君でしたよね?」 振り返ったその姿はあの知的メガネだった。 「あ、はい…」 (知的メガネの名前は京介だったのか) 「僕は前田京介。昨日はろくな自己紹介出来ませんでしたが、よろしくお願いしますね」 そう言って京介君は右手を差し出した。見た目通りいい男だ。 男の僕でも惚れそうだよ! 「あ、僕は葉山秀樹です。よろしくお願いします」 そして握手を交わす。 「ここの労働は初めてだよね」 「はい、まったくもって初めてです。あのちびっ子女番長は何も教えてくれなかったから」
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