一章 到着、小春荘

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別にそこの家の作りが古いからと言う訳じゃない。 別に可愛い子が住んでいるからと言う訳じゃない。 何かがおかしい。 なんだろう。何がおかしいんだろう。 「これから小春荘の一員だね」 あぁそうか。そう言う事か。 理解した。ようやく謎はすべて解けた。 「これから一緒に仕事してもらう仲間ですよ。仲良くしてくださいね」 「はぁーい」 これだよ。違和感の原因。 「どうも…葉山秀樹です…よろしくお願いします」 目の前には四人の男女。 僕は寮に来たはずだ。確かに寮で華やかな学生生活を送る予定だった。 が、しかし僕は妙な旅館に来てしまった。 確かに下宿は可能、家賃は光熱費を含めて福沢さん一枚。 だけど、働かされるなんて聞いてない。 「どうりで安いわけだ」 小声で小さく呟くが、時すでに遅しである。 やはり、うまい話には裏がある。
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