一章 到着、小春荘

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「ここがヒデ君の部屋だよ。部屋番号は305だから間違えないでね。ちなみに私は301だからわからないことがあったら聞きに来てね」 「は、はい!」 この可愛いお姉さんは梓(あずさ)さんと言うらしい。僕より一つ年上だ。 「じゃあまたね」 (可愛いなぁ…やっぱ彼氏とかいんのかなぁ) そんな風に下心満点で妄想を繰り広げていた。 部屋は畳張りで決して広いわけではないけど、一人暮らしには十分すぎるほどの広さ。 一応客室なので数人くらいは住めるスペースだ。 場所は三階。窓から外を眺めればのどかな風景がよく見える。 窓を開け、新しい新鮮な空気を体一杯に感じると、新しい土地にようやく実感が沸いてきた。 「新天地かぁ…」 多少トラブルはあったものの、いや…かなりのトラブルはあったものの、なんとかここまでたどり着くことが出来た。 ごちゃごちゃと展開が早くて、ついていけない俺もいたけど。
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