二章 初日、目覚めた後

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ハッと目が覚める。 「寝ちゃった…」 と、可愛く呟いてみたものの、結果は変わらない。 部屋についていたオプション、かけてある丸時計を確認すれば、その針は午後六時を回っていた。 昨日あんまり眠れなかったからだろうか。 僕は立ち上がる。 部屋の中は極寒の地だ。そういや窓を開けたまま寝てしまっていた。 まだ四月だから寒いに決まってる。 窓を閉めようと窓際へ歩み寄ると、その空に引き込まれた。 「わぁ…もう星が出てる…」 なんだか実家で見る星空とは全然違う。空がとても近いというか、綺麗に見えるのだ。 空気の綺麗さの違いだろうか。 窓から体を乗り出し、落下防止用の策にもたれ掛かった。 「う~ん…癒されるね」 「……君が新入り君か…」 「む!?」 どこからともなく声が聞こえた。とても妖しい声が。 (女の声!?新たなドラマの予感!)
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