異形の者

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葉苗に先導されながら、中に入る。 「そこのソファーに掛けて下さい。」 と、デスクの並ぶ中の一郭あるソファーに腰をおろしす。 少し壊れているようだ。 葉苗はデスクの方で何かをしてから、 「それじゃあ、話を聞きましょうか。」 と、向かい合うようにソファーに座った。 豪は今まであったことを話した。 「…貴方は事故を起こした後、娘がいないことに気付き探すが見当たらず、助けを求めるために村に向かった。その途中に私と遭遇したと…。」 葉苗はそこまで言うと下を向いて黙ってしまった。 「そういうことだ。さっきの怪物といい、娘が心配だ。助けを呼んで…」 と、豪が言うと葉苗は衝撃的なことを口にした。 「助けをを呼ぶのは無理よ。さっき試したの電話、携帯、無線。どれも通じないの。それよりも、その娘さん、本当にあなたの娘さん?誘拐して殺害した、とかじゃなくて?」 …なんなんだ?ナニヲイッテヤガンだ?… 「ふざけたことを言うな!サナエは私の娘だ!死んだ女房の忘れ形見だ。」 と、立ち上がり豪は怒鳴った。 「すいません。過去にそういうような事件があったので…」 と、葉苗は謝った。
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