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真夏の夜
辺りはもう真っ暗で、空には少し雲の掛かった下弦の月
そんな夜にある高校生位の青年が、私達向日葵を眺めていた
彼は夏になると私達を見に来る
何かする訳でもなくただじっと見ているだけ
気が済むまで眺めたらまた帰って行く
そして、私達が枯れたら彼は私達の種を持って帰り、翌年の種蒔きの時期になったら此所に種を埋めてまた花が咲いた頃にやって来る
その繰り返し
そんなことがかれこれ6・7年くらい続いている
それは何故なのか
私達を通してその瞳に何が写っているのか
それは私達だけが知っている
私達しか知らない
それは私達だけが見た、切なくも儚い小さな小さな恋の物語――…
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