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ピンポーン。
水野の家の呼び鈴を押す眞宵。
ここに来るまでに走ってきたせいで、髪は乱れて、汗をかき、ぜいぜいと息をきらしている。
早く話してお茶飲みにいこ…
眞宵はそう思っていたが、なぜか水野はなかなか出てくれない。
『あれ…呼び鈴が…壊れてるのかなぁ』
眞宵は呟いて、玄関前から左へ走って庭を横切り、水野の部屋の窓のすぐ下まで来た。
『水野さぁん。ちょっと相談したいことがあって――――』
眞宵が叫んでも、水野は姿を見せない。眞宵は首をかしげながら続けた。
『BAってゲームの話なんですけど――――』
ガラガラッ!
ふいに、窓が開いた。
眞宵は驚いて窓を見る。
そこには、不安な気持ちでいっぱいの表情をしている水野がいた。
水野は手招きすると、窓を閉めた。
来いってこと…?
眞宵は考え、再び玄関へ回ると、
カチャン
と開けて、中へ入った。
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