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水野の部屋の中へと入ると、水野はこのうえなく不安そうな表情で床に座っていた。
『ど…どしたの…?』
眞宵は言って、水野の前に座った。
水野はうなずいて、眞宵に何かを差し出す。
それは、紅の封筒だった。
眞宵は驚いて水野をみる。水野は封筒を握りしめた。
『来たんだ…昨日』
『水野さんも…?』
水野はうなずく。眞宵は困り果てて、ため息をついた。
『どうすればいいのかなぁ…』
眞宵が呟いても、水野は顔を伏せて首をかしげるだけだった。
『…他校に坂下っていう学年一位の子がいて、その子にも…』
水野は言った。
『…』
不安だ。
二人は思った。
急に、明日から命をかけなきゃいけないなんて…。
眞宵は立ち上がった。
『あたし、…帰ります。なんとかして、ゲームやめられないか…調べてみます』
眞宵が言うと、水野はうなずいて、
『私もこっちで調べてみる。』
と言った。
眞宵は微笑む。
『お互い…生きようね』
眞宵が言うと、水野はやっと笑顔をみせた。
『うん』
水野は微笑んで言った。
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