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ある日の放課後。土浦は音楽科にある練習室に向かっていた。
「・・・そんなに普通科が珍しいのか?!・・・ったく・・・」と、文句を言いながら、予約していた部屋の前に着くと、向こうから音楽科の「月森蓮」がヴァイオリンケースを持ち、こちらに向かって歩いていた。
「月森か・・・嫌な奴に逢ったな・・・」
関わらない方がいいなと思った土浦は、練習室のドアノブを回し、中に入っていった。
「・・・これで少しは落ち着いて練習出来るな。」
ぽつり、と呟いた瞬間「ガチャッ」と勢いよくドアが開き、誰かが中に入って来た。
「・・・?!月森!!」
さっき練習室の前にいた「月森蓮」だった。
「・・・っ!!すまない、すぐに出るから・・・少しの間かくまって貰えないだろうか?」
珍しい月森の発言に土浦は、
「は?あ、あぁ、いいぜ。・・・。」
と承諾した。
「練習の邪魔をしたな。」ポツリと詫びを入れる月森。
また土浦に衝撃が走る。
(一体どうしたんだ、月森の奴。珍しいな。まぁ、すぐに出るみたいだし・・・気にせず練習するか)
そう思い、ピアノの前に行き、ポーンと鍵盤を鳴らし、瞳を閉じ、すうっと深呼吸し、ある曲を弾き始めた。
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