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「そうでしょ?ANGELって名前なのこの店」
「でも何か高そうですね…」
「値段はリーズナブルよ?」
「よく来るんですか?」
「うん、だって私ココの従業員だし」
「えっ!?」
林檎と私が出会ったのは夜の街。
知らないのも無理は無い…。
失恋してアルコールに逃げてフラフラしてる林檎に突然肩を捕まれ、ゲロをぶちまかれたのが私たちの出会いだった…。
介抱して、それ以来時々こうして遊んだりするようになった。
「今日はただのお客様」
二人で席に向き合ってチョコレートケーキと紅茶を二人分注文する。
客は私たち二人だけで、それを解ってわざわざこの時間を選らんだのだ。
「ねぇ林檎、貴女今恋人いる?」
「居ないんですよ…。誰かイイ人いません?」
「二八歳でエリートサラリーマン、どう?」
「どんな人なんですか?」
「優しくて少し弱いけど、可愛い人だよ。顔は林檎好きそうな顔かな」
「紹介して下さい夢姉!!!」
ほんのりと桃色に色付いた頬が純粋さと若さに思えた。
携帯で電話を掛ける。
「ANGELに居るから今から来て。丁度今外回りでしょ?」
返事も聞かずに電話を切る。
慌てる倖が目に浮かんでほんの少しだけ笑った。
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