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「名前や意味を人は知りたがり、求めるよねいつも」
「夢…」
悲し気に貴方は私の名前を呼ぶのね…。
「そう私は夢、有るのに無い存在。それが答え…」
愛してるだなんて認めてあげない。
私はもう永遠の中にあるから…。
貴方が飽きるまでの私は愛玩人形。
貴方他の人を見付けるまでの私はすがる存在。
怪訝そうに歪む貴方の顔が私は大好きだよ…。
そうやって早く私を嫌いになって…?
もう二度と私を愛してるだなんて言わないように…。
私は貴方を幸せに出来ないから。
私は貴方の横で幸せになれるほどキレイじゃないから…。
こんなにも私は汚く醜い。
「俺は怖いんだ…」
「何が…?」
笑顔で私は聞く。
何度と繰り返した、いつもの言葉たち…。
「いつかお前が俺の前からいなくなりそうで…」
「夢はね?いつか覚めるものなのよ…。そして思いだそうとすればするほど記憶は散り、思い出せなくなる。それで良いの」
貴方は母親とはぐれた迷子みたいな顔してる…。
「倖、おいで。髪ちゃんと拭かないと風邪ひくから」
貴方の首に巻かれたバスタオルを取り、くしゃくしゃと柔らかな髪をかきまぜる…。
「夢、結婚しよう…?」
「嫌よ」
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