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「何で?」
この会話ももう三度目。
いつも貴方がソレを口にする日が満月だって、貴方は気付いてる…?
「他の人と幸せになりなさい」
「俺は夢と幸せになりたい」
「私はもう売約済みなの」
「なら俺が夢を盗むから…。ずっと俺の横にいて…?」
「…ずっと?」
「うん、ずっと。永遠に」
「…永遠ってどれだけの月日のことか、知ってる?」
「世界が無くなるまでじゃないの?」
「永遠ってね、天女が羽衣で岩を砕くのに費やす時間のことなんだって…」
「岩?」
「うん岩。でもね私、その岩ってやっぱり地球の事だと思う…。永遠にも終わりはあるんだよ倖」
「でもその前に俺たちは死ぬさ」
「そうだね。でも死ぬまで愛してくれるだなんて私は信じられない。信じられるほど幼くないの」
「今俺が死んだら死ぬまで愛したことになる」
「……」
「俺だってガキじゃない。これでも夢より年上だって忘れてる?」
「そうだっけ?」
「夢は二六歳だろ?俺は二八だ」
「…時々忘れるの。だって私の目に姿も年齢もうつらないから」
「心だけ?」
「心だけ」
貴方を想ってるいつも。
一緒になりたくないってくらい想ってる…。
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