第四話 それぞれの夢

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けれど、彼に全てを聞いてしまうのは―― ――――結果を、知るのは―――― ――――――凄く、怖い。 (何がしたいのよ、私…………) ソファの上でダンゴムシみたいに丸まって、ミストは大きな溜め息をついた。 霙の優しさに触れるたび、ミストの胸は締め付けられて、ずきりと痛んだ。 うしろめたい気持ちと、隠し通してきた過去が、ミストを責める。 いっそ、話してしまえばいい。 それで、例え嫌われたとしても…………それでいい。 …………ううん、『それならよかった』。 嫌われたくない。 軽蔑されたくない。 けど、知られたくない。 私の、過去。
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