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慌ててマッハで弁当を鞄に詰め、鞄を肩にかけ、制服の上着を手に持ち、「俺行くからっ」早口にそう言って、玄関のドアを開けて、
「…………」
足が、止まった。
「…………霙?」
背中にかかったミストの声で、躊躇していた気持ちが断ち切れた。
霙は軽く振り返って、こっちを見つめているミストの瞳を見た。
「言いたく無いコトなら、今は言わなくて良い。けど、1人で背負い込むな。言える時が来たら、言ってくれよ」
それだけ言って、ミストの返事を待たずに家を出た。
…………本当は、今すぐにでも話してくれて構わない。
聞かせてほしいコトは、たくさんある。
どんな悪夢を見ているのか、
どんな過去を隠しているのか、
どんな想いを秘めているのか、
『………ッカ………?』
あの名前の主は誰なのか。
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