第四話 それぞれの夢

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霙が、もしミストの過去を知ってしまったら―― きっと、「出ていけ」と言われる。 そして「2度と俺の前に現れるな」と、恐怖に満ちた目でミストを見るのだ。 ――――まるで、悪魔を見るような目で。 そんな光景が、鮮明な映像となってミストの頭の中を駆け巡る。 「…………」 霙は気を遣ってくれたのだろうけど、部屋に1人で閉じ籠っているのは嫌いだ。 物事を悪い方へ悪い方へと考えてしまうから。 こんな悩みなんて、いっそのこと奈落の底まで墜ちて、地表を突き破って地底の奥深くまでいって地核で溶かして消せたらいいのに。
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