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――そんな中、遠くの方から
誰かがこっちに向かって
大きく手を振りながら
走って来るのが見えた。
「詩織~!」
その声を聞いた詩織は、
その人を見て叫んだ。
「あ、大揮!」
“大揮”とは詩織の彼氏。
大揮君は隣のクラスで、
学年では比較的イケメンで
結構目立つタイプだ。
そんな2人は付き合って
3ヵ月になる、
ラブラブバカップルだ。
「あ、そういえば今日は
大揮と帰る約束してたんだ……
ごめん、優里……」
詩織は顔の前で手を合わせ、
言いにくそうに私に言った。
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