不良の少年

3/10
前へ
/412ページ
次へ
  「私今日寝坊しちゃって、 遅刻ギリギリだったんだよ~」 そんな他愛もない話をしながら 私達は校門の外に出た。 今日の風は暖かかった。 「あ、そういえば 来週テストだよね!」 詩織は私の前に回り込み、 後ろで腕を組みながら 太陽のように眩しい笑顔で 私にそう言った。 「あー、そうだよね」 私は詩織の言葉を軽く 突き放すように言った。 「あ、でも優里は楽勝だよね? 自信の程はいかがですか?」 そう言って、 詩織は私にマイクを 持つような手を向けた。 あえて会話をそらした つもりなのに、 詩織は話を続けた。 「まぁまぁ、かな……」 私は苦笑いを浮かべて言った。 外でも勉強の話…… 正直やめてほしいな。      
/412ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9737人が本棚に入れています
本棚に追加