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毎週月曜日は朝帰りの日。
日曜の夜、一緒に過ごしたおじさんに学校まで送って貰うのが僕にとっての恒例行事だ。
「じゃあ、また誘わせて貰うよ」
「いつでもお待ちしております」
ブロロ…と走り出す車を笑顔で見送ってから目の前の校門を潜る。タイミングを見計らって一番仲の良い友達が寄って来た。
「おはよーぅ粟生ちゃん」
「お早う遥」
崎坂遥―サキサカ ハル(♂)―は中学校の時に同じクラスになってから高校に入っても仲の良い、唯一の親友だったりする。
僕の副業についても、ちゃんと考えて心配してくれている。
「…あ、粟生ちゃん前っ!!」
「……へ?前…うわっ!」
ドサッ
衝撃。と同時に尻に痛み。昨日ヤり過ぎたかな…いやいやそういう痛みじゃねぇよ…なんて一人ノリツッコミを頭で考えてると、目の前に手が差し出された。
「ごめんっ!ちょっと考え事してて…」
見上げると細身の男。逆光で顔はイマイチ見えないけど中々格好良さそうだ。
差し出された手を掴んで立ち上がる。目の前に立つと、男の人の背の高さに圧倒された。
「どこか怪我とかは…」
デカい図体で小さい僕(僕は160㎝しかない)におろおろする姿につい笑ってしまう。
「…こちらこそ御免なさい。怪我は無いので大丈夫です」
いつもの営業スマイルで微笑むと男の人は赤くなった…と同時に始業のチャイムが鳴った。
「じゃあ…」
「粟生ちゃん!急がなきゃ怒られちゃうっ!!」
突然慌て出した遥に半ば引摺られる形で僕は男の人を後にした。
「……『あお』?まさか彼が…」
当然、男の人の呟きなど僕に届く筈も無く。
心 に 愛の 華 を
ずっ と枯れ ないよ う に
夢 なら ば 覚 めな いで
胸が張 り 裂けそ う
to be continue...
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