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田中『あそこか』
公衆トイレの入り口に、男がしゃがみこんでいる。
田中『すいません』
???『ん? 君は?』
田中『田中といいます。あの、ハーンズさんですか?』
ハーンズ『ああ、そうだけど。君は関係者かい?』
田中『あ……はい。荻野警部の助手です』
もちろん、ウソだ。
ハーンズ『ほう、その若さでか。パーマなのにすごいじゃないか』
田中『……ほめ言葉として受け取っておきます。
それで、あの……事件について教えてくれませんか?』
ハーンズ『ふむ。……君、その前にまずすることがあるんじゃないか?』
田中『え?』
思い当たらない。
ハーンズ『「なぜ探偵なのにキセルをくわえてないんですか?」って聞かなきゃダメだろ!!』
田中『ええっ!?』
ハーンズ『まったく……。まあいい、教えてあげよう』
田中(探偵ってキセルくわえてるもんなのかな……?)
ハーンズ『被害者の死亡推定時刻は、約30分前の午前8時ごろ。頭から血を流してここに倒れていたらしい。死因は失血。その時間、公園には4人の人間がいた』
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