525人が本棚に入れています
本棚に追加
ピタリと足を止めて、紙を拾うため、振り返った。
「こんにちは」
「!!」
少年がニヤリと笑う。
あたしは一歩後退りした。
少年というより青年だろうか?
見た目は16歳くらいだ。
黒くセミロングな髪
深紅の瞳
そして…
黒く長い…ウサギのような耳。
「はじめまして。チェシャ猫…じゃなくて…『猫島コロ』さん?」
ウサギ耳の少年は興味なさそうに紙を見る。
「クロウサギィ。」
窓からピョンとヒトリの少年が入ってきた。
上の階から着たのだろうか?
「ン?何。シロウサギ。」
“クロウサギ”と呼ばれた少年に対し、“シロウサギ”と呼ばれた少年は瓜二つだった。
ただ違うのは、
シロウサギは髪とウサギのような耳が白かった。
「チェシャ猫見つかったァ?」
気の抜けるような声を出すのはシロウサギは、窓枠に手をかけ、ブラブラとぶら下がっている。
「この子。」
キリッとしたハスキーな声を出すクロウサギは、あたしを指さした。
最初のコメントを投稿しよう!