始まりと終わり

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ピタリと足を止めて、紙を拾うため、振り返った。 「こんにちは」 「!!」 少年がニヤリと笑う。 あたしは一歩後退りした。 少年というより青年だろうか? 見た目は16歳くらいだ。 黒くセミロングな髪 深紅の瞳 そして… 黒く長い…ウサギのような耳。 「はじめまして。チェシャ猫…じゃなくて…『猫島コロ』さん?」 ウサギ耳の少年は興味なさそうに紙を見る。 「クロウサギィ。」 窓からピョンとヒトリの少年が入ってきた。 上の階から着たのだろうか? 「ン?何。シロウサギ。」 “クロウサギ”と呼ばれた少年に対し、“シロウサギ”と呼ばれた少年は瓜二つだった。 ただ違うのは、 シロウサギは髪とウサギのような耳が白かった。 「チェシャ猫見つかったァ?」 気の抜けるような声を出すのはシロウサギは、窓枠に手をかけ、ブラブラとぶら下がっている。 「この子。」 キリッとしたハスキーな声を出すクロウサギは、あたしを指さした。  
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