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「猫…島コロ?」
シロウサギがこちらをチラッと見る。
「チェシャ猫の名前だよ。」
クロウサギが冷静に答える。
ふーん…と返事をし、シロウサギは、また紙に目をやる。
あの紙は…国語の時間の作文だ。
国語科のあたしは、今日、国語の時間、【夢物語】というお題で、作文を書いた。
けど、あたしは書ききれなかったため、居残りをして書き上げた。
「この話。何処で聞いた?」
紙から決して目を話さないシロウサギ。
さっきまでのおちゃらけた喋り方は何処へ行ったのか…。
「どうして見知らぬ貴方達に答えなくてはいけないのですか?」
あたしは真剣に答えた。
ましてやウサギの耳のついた怪しいヒト達に理由なんか言いたくない。
「…お前がチェシャ猫だから。」
クロウサギがこちらを睨むように見つめている。
「チェシャ猫…?さっきから何を言ってるんですか?」
あたしはクロウサギを睨み返した。
「クロウサギ。睨んだってしかたないよ。」
シロウサギが読み終わったのか、紙から目をそらす。
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