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「あ───、もォやだやだっ。」
一緒に歩く友達がめんどくさそうに言う。
「かったりーよな、受験なんて。思いっきり遊びてーよぉ。」
そう言ってから思い出したかのようにこっちを向き、「そーいや青野!!お前志望校のランク落とせって言われてなかったっけ!?」相変わらず聞いてほしくないことを平気で言うやつだな。当たってるだけに文句も言えないし。
「うん…でもさ、もう少し頑張ってみるよ。」
とりあえず無難に返しておく。しかしコイツは、
「いーねぇ、前向きで…。クソ真面目なだけが取り柄ってかぁー!?」
ひゃはは、と笑いながら俺の頭を撫でながらぐりぐりやってくる。さらには、
「そのわりにちっともむくわれてねーけどな…」
言いたい事言うなぁと思いながらも
「……」
僕は黙っておいた。
「なぁ、青野。金持ってる!?ゲーセン行こうぜ?」あんなこと言っておきながら遊びに誘うのかと呆れながら
「え──、僕も今日は金ないよ。」
と、やんわり断っておいた。実際月末だったんでほんとに手持ちがなかったのもあるけど。
「そっか…」
そう言ってため息をつく。「あ~あ、デートでもしてーなー。」
当然二人とも彼女はいないわけで無理な話ではある。
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