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しかし、潤はそう思った以外、女性には何ら興味を示さずすぐに読みかけの本に目を落とした。
それから数分後、潤がふと顔をあげると潤の目の前に一人の女性が立っていた。
服装や髪型から類推して、先程、本を落としてしゃがみ込んでいた女性であることはわかったが何故そこにたっているのかは理解できなかった。
しかし、その女性が放つきらびやかな雰囲気と整った顔立ちに、潤は微かなときめきを感じていた。
「どうかしましたか?」
潤の問い掛けに対して女性は首を横に振るだけで何の言葉も発しはしなかった。
ただただ、潤が手にしている本と潤の顔を交互に見ながら、微笑んでいたのだ。
ここで、普通の男なら会話をし、何らかのコミュニケーションをとろうと試みるのであろうが、潤にはそうした経験や知識もなく、すぐに本へと目を落とし、そのどうすればよいのかわからない空気を掻き消そうとした。
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