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そうこうしているうちに、図書館の閉館を示す音楽が図書館中に鳴り響いた。
しかし、その音は潤の耳には届いておらず、潤はずっと下を見ながらどうすればいいのかを考え続けていた。
すると、女性が座っていた席の方からガタッという椅子をずらす音が聞こえてきた。
「まずい、あの人はもう帰る気なんだ。」
しかし、潤にはなすすべは何もなかった。女性と全くしゃべれないという己の弱さと直面し、ある種の敗北感を味わったていた。
そうやってうなだれていた潤の前にすっと人の気配を感じた。そして、一瞬風が靡くように潤の座っていた机の上に一枚の手紙が置かれた。
目の前に置かれた手紙に反応した潤が顔を上げた時、先程の女性が逃げるように出口へ向かっていった行くのが見えた。
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