黒の手紙

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僕とそのゲームとの出会いは、たった一通の手紙から始まった・・・。 7月11日。 「あちー・・・」 高校での部活が終わった『樋村健也』は、家に向かって自転車をこいでいた。 どう見ても普通の高校生だった。 今夜までは・・・ 家に着いた健也は自転車を止め、家に入ろうとした。 その時、一枚の黒い紙がポストから落ちたのに気が付いた。 「何だ?」 健也はその手紙を家の中に持って入った。 健也は自分の部屋に入ると、早速手紙を開いた。 『樋村健也様、貴方は今年開催されるRuneへの参加が決定しました。つきましては今夜、説明会をするため深夜0時に人が最も集まる場所へお集まり下さい。』 「・・・?・・・」 健也は首を傾げた。 イタズラか?とも思ったが、なぜかそうも思えなかった。 (人が最も集まる場所?) 人が最も集まる場所、しかも深夜。ならば公園や街中ぐらいしかない。 健也はこの手紙に不信感を抱きながらも夜を待った。 太陽が沈み、月が見え、時計の針が11時40分を指した時、健也は家をこっそりと脱け出した。
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