黒の手紙

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「どうなっているんだ・・・?」 健也はまさかという顔になった。 これ程までに巨大なカラスがいるわけがない。 普通、ならば・・・ 「どうなってるって、お前Runeの参加者だろ?魔力がお前の体から溢れ出ているぜ。」 巨大なカラスの上から男が顔を出した。 「これが・・・悪魔・・・?」 「あぁ?なに言ってんだ?当たり前だろ。『悪魔レイブン』だ。」 「レイブン?」 「こいつの名前だよ。まあいいや、お前、さっさと精霊でも悪魔でも召喚しねぇと、死ぬぜ。」 レイブンが足を振り上げた。 「わあっ!」 健也は走った。 レイブンの攻撃が届かない場所へ走った。 しかし・・・ 「バカが!死ね!」 男の声と同時に突風が吹き荒れる! 健也は軽く飛ばされ、壁に激突した。 背中を打った健也は息が詰まり、激しく咳き込んだ。 「バカが、悪魔から逃げ切れると思うなよ。」 健也は空を見上げた。 レイブンが迫っている。 (夢じゃなかったんだな・・・) 死を間近にしながらも、健也はそんなことを考えていた。 「じゃあな、雑魚。」 レイブンが宙からその巨体を落とす! 「クッ!」 健也は目をつぶって、せめて痛みが無ければいいと祈った。 腕に何かが当たった感触がハッキリと伝わった。 しかしレイブンは健也を直撃せず、まるで壁に弾かれたかのように再び宙へ戻る。
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