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(しまった……!! よりにもよって篠崎の化学で寝ちまったぁ……!!)
第1学年1組HR担任、篠崎奈美<シノザキ ナミ>。「最恐(最胸)」の二つ名を持ち、172cmの長身でアラフォー(39)とは思えないほど麗しい美貌を誇る美女。
なのだが激怒すれば校長さえも震え上がらせ、そして推定G以上といわれるその胸で男女問わずほぼ全て生徒(一部教員を含む)を覇せる女王様。
彼女はこの暁高等学校の化学と生物の教員であり、“暁三強(教員)”と呼ばれる3人の怪物達の1人だ。
当然、その授業で寝るなど暁の生徒であるならば絶対にやってはならない事、タブーである。
すぐさま姿勢を正すがその顔(般若)といい胸といい、目の前にあるのでとても直視できない。
「いや……これはその、5限目ですし……」
「…………」
食後の昼下がりだからという苦し過ぎる言い訳を言ってはみたものの、篠崎は黙って腕組みをしたまま睨み下ろしてくるだけ。
周りの生徒の小さな笑い声も無くなり、息を飲んで状況を見守っている。
わかる。今さら何をやっても状況は好転しない。
「放課後、教務室に来い。いいな?」
それは唸るような低い声、恐過ぎる。
「……はい」
それだけだが、死刑宣告に等しい言葉であることは確認するまでもない。
どうやら今日の運勢は最悪のようだ。
そして、そんな最悪な化学の授業はそんなことがあったせいか、気付けばあっという間に終わってしまっていた。
「いや~大変だねぇ、涼介くん♪」
授業が終わるとすぐにやってきて空いた前の席に座った、ワックスで髪をツンツンに立てた長身の名は、矢賀谷獅郎<ヤガタニ シロウ>。小学校からの同級生であり、真性の阿呆と言って良い。
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