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「よりによって奈美姉さんの授業で寝ちゃうとはね!! スゴイですなぁ~」
顔には満面の笑み、コイツ明らかに楽しんでいる。
「なんでか知らねぇけど寝ちまったんだよ。別に眠くはなかったんだけどな……」
それは本当だ。昼食を取ったすぐ後の授業だったが始めはまったく眠くなかった。何故か、いつの間にか寝ていたのだ。
「そりゃアレだ」
「なんだよ?」
獅郎がわざとらしそうに目を閉じて指を立てる。
「老化」
15才で老化、いくらなんでもそれはないだろう。というか15才はまだまだ成長期だ。大体、急に眠たくなるのが老化だなんてわけがわからない。
「いや、わっかんねぇぞ?」
そう言って顔は嫌らしくニヤニヤと笑っている。馬鹿らしい、本気で言っているわけではないだろう。
「災難だったね、涼介」
獅郎より少し高い声、そこには男子にしては少し身長が足りない男子が立っていた。
「自業自得だ、仕方ねぇよ」
「そうだね、篠崎先生の授業で寝ちゃったんだから」
そう言ってクスクス笑っている。
「笑うな、光司」
「あはっ、ごめんごめん」
金村光司<カネムラ コウジ>。コイツも小学校からの馴染み。見た目は草食の癒し系であり、同い年にも年下に間違われるほどの体躯と童顔だが、これでも男子バスケットボール部に所属しているバスケ少年である。
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