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当の自殺(?)女子高生は、放心したようにその場に座っていた。
流れるような長い黒髪が前に垂れて覆い隠しているので、その顔はよく見えない。
「大丈夫か、あんた?」
「…………」
反応がないので心配になり、少し覗き込むと彼女はピクリと身体が震えたが、それだけで身体を動かそうとしない。
(どこか怪我でもしたのか?)
引き戻す時に力を入れ過ぎたのだろうか、それともトラックと接触してしまったのだのだろうか。不安がよぎる。
「いぇ……あ、大丈夫……です」
ぎこちなく、彼女はそれだけボソリと言った。少し安心した、怪我でもしてたら大変だ。
自殺を引き止めてしまったのだとしたらそれは彼女にとっては不本意なのだろうが、目の前で死なれでもしたら気分というか後味というか、何もかも最悪になっていた。生涯のトラウマになるだろう。
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