日常 ~ Daily ~

21/30
前へ
/716ページ
次へ
   一方、子供たちは汗だくになりながらもまだ走り回っている。子供の体力というものは底無しのようだ。 「要るか、涼介?」  獅郎がスポーツドリンクをすすめてくる。 「さんきゅ、それにしても……子供達はともかく、光司はよく体力保つよな」  ドリンクを受け取り、すぐに口へ運ぶ。渇いた喉に水分が流れていく、口の中に潤いが戻る。 「あの身長でバスケ部のレギュラーを狙ってるんだからな、努力してんだよ」 「そうか……」  光司は努力家の根っからのバスケット少年だ。小学校でミニバスケを始め、中学校のバスケ部では副主将、中学まではなんとかあの身長でもレギュラーになれていたが、高校はそう甘くないらしい。  やはりなんだかんだいってもバスケは長身が有利なスポーツ。  光司にとって、やはり身長のハンディはかなり大きい。その分アイツは並々ならぬ努力をしているのだろう、体力もあって当然だ。  
/716ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1915人が本棚に入れています
本棚に追加