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「何話してるの、二人とも?」
光司がやっとバスケを抜け出してきていた。汗だくになった身体をタオルで拭きながらきたわりには、まだまだイケるとけでもいいたそうな笑顔だった。
子供たちは相変わらずボールを追いかけている。
「ただの雑談」
「ふ~~ん」
興味があるような無いような、わからない感じの声だった。
「なぁ光司、一つ訊きたいことがあるんだけどよ……」
獅郎が怪訝そうな目を光司に向ける。
「何?」
「お前さ、もしかしてこの考査期間中で部活動停止だから毎日ここ来てるっていうのは……マジ?」
光司はキョトンとした表情をした。
「マジマジ」
二人で唖然。マジかい!
「テスト勉強しなくていいのか?」
「まぁ、勉強しなくても獅郎には負けないと思うよ」
「うっ」
獅郎は痛いところでも突かれたように、胸を押えてうずくまってしまった。わかりやすいヤツだ。
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