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「涼介には勝てないかもね」
「なわけないだろ。俺なんて平均6・70点くらいだし、中の上くらいだ」
「そんなそんな、似たようなもんだよ」
そう言って光司はおどけてみせた。考査期間中にほとんど勉強をしないで点数とれるなんて……羨ましいかぎりだ。
「平均70で満足しないなんざ、羨ましいにもほどがある!」
「お前には光司みたいな器量の良さは無いんだから、猛勉強しないお前が悪い」
「光司ぃ、その頭と器量の良さを全部くれ!!」
「無理だよ♪」
分けてくれではなく全部くれ……とは、こいつは本当に自分から努力して勉強する気が無い。
光司はクラスでも成績はけっこう良いし、頭も俺たちの中では一番良い。一方、獅郎は運動神経がかなりいいのだがかなりバカ。よく公立の進学校に入れたものだと、中学3年の時の担任も驚いていた。
そしてそういう俺はいつも真ん中、良くもなく悪くもない。
これが俺たち三人の立ち位置、小学校からずっと変わらない場所だ。
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