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ふと見ると、子供たちがバスケをしている姿を横で呆然と見ている少年が見える。
見た目の背丈からして子供たちとかわらないくらい、小学校3・4年生くらいだろうか。だが服装はダボダボのTシャツにダボダボの単パン(サイズが身長に合ってないので単パンに見えない)、ストリート系というやつか。
少年は目が隠れるくらいに前髪が長く、キャップを深くかぶっているためか何処を見ているのかよくわからない。
「なあ、あの子は仲間に入れてやらないのか?」
子供好きな光司に限って故意に仲間外れにすることはないだろうが、気になったので一応訊いてみる。
一人だけ離れた所にいるその姿は仲間外れにされたみたいに見えるし、本当にそうだとしたら可哀相だ。
「ああ、あの子ね」
光司は首だけ動かして少年を見た。
「前にも何度か誘ったんだけど、いつも無言で反応を示してくれなくて」
光司は残念そうにそう言う。
「そうなのか」
少年はわからない表情のまま、その隠れた目がこちらを見ているような気がするのは気のせいだろうか。
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