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「ふむ、見たところ術を掛けられているのか……。それよりも不可解なのは、お前自身の波動だが。なんだ、その不規則で不安定な魔力波動は?」
「は? な、不、規則?」
黒猫が言っていること全てが、更に理解不能になってきている。
既に何を言っているのかほとんどわからない。
「ふむ。解せんか、では簡潔に……」
「…………」
黒猫はこちらの苦悩している姿から察したようだ。
「つまり、お前は一体何者だ?」
─────ゾクッ
そう言った黒猫の目を見た瞬間、背筋に言い様のない寒気を覚えた。
視界が揺れて、頭が重くなったと感じたと同時に意識が薄れる。
(俺が……何者……?)
それはあまりに簡潔で、そして“一番わけがわからない”質問だった。
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