「ドッペルゲンガー」

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「ドッペルゲンガー」

A.M.2:00 私は夜中に目を覚ましてトイレに立った。 古い家で、二階に私の部屋と母の部屋。一階に居間・トイレ・風呂・和室がある。 階段を下がって、わざわざトイレまで行くのは億劫(おっくう)だが、このままでは寝れそうにない。 「あれ?」 トイレで用を足し、階段を5段くらい上がると、壁に鏡があった。 母さん、いつの間に鏡なんて付けたのかな…? 私は鏡の前に立ち、自分の寝癖の酷さを笑った。 -翌朝- 階段を下りながら、鏡のあった場所を見ると、無くなっている。 「母さん。結局鏡取ったの?」朝食のパンを咥えながら聞くと、 母さんはキョトンとして「まだ寝ぼけてるの?鏡って何。」と聞き返された。 「ううん…何でもない。」 私は、次の日死んだ。 死んだら、鏡になる。 ―カガミノセカイ― そう。鏡って、そういうものだったんだ。 「もう一人の私に死の宣告を。」 ・-―夜中にある筈のない鏡を見てしまった貴方。貴方に殺されてしまわぬ用。…お気をつけください―-・
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