『輝ける国』

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紺碧の海 真白き波は止まる事無く 泡沫(ウタカタ)に浮かぶ 深緑の島   輝きの名を冠した 祝福の国 栄光ある 過去の威光   蒼穹に映える 赤き屋根は果てしなく 大いなる流れ 運河は国を潤し続ける   誇り高き 輝ける国(シャイニア)の民よ     《戦乱に揺らぐ大陸  肉眼で見えるほどの距離  海を隔てて浮かぶ輝ける国》     「陸の混迷  何処吹く風よ  我らは誇り高くも清廉なる  輝ける国(シャイニア)の民」     《あぁ、  けれど時代のうねりは  大き過ぎて  人の目には見えぬもの  過去の光が  未来を救うと言うのなら  どうして  滅びの闇があるのだろう  運命の女神は賽を投げた  蒼穹高く、賽は上がり  落ちた先は輝ける国  運命の女神が指し示す  あぁ、それは動乱  変革と言う名の  時代の胎動》   あぁ 戦乱に花が咲き誇る 夢を糧に 命短くとも   あぁ 逆風にさえ鳥は飛ぶ 汚穢(オワイ)の中でも 誓いを胸に   あぁ 風は確かに吹いている 迷いを断ち切って 境界なんて意味は無い   あぁ 月の光は満ちるもの ただ見ているだけでは 光さえも見失う
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