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「ジ~……」
俺の部屋のドアの隙間からジローが覗いてやがる。
何をしてんだか…。
俺はそんな黒猫を無視し、アイスを食べながら雑誌を読むのを再開した。
時間が過ぎ、辺りは暗くなって、俺はお風呂に入る。
「ジ~………」
風呂場のドアを少し開けてジローが見てやがる。
無視、無視。
みんな居間に集まりご飯を食べる。
今日は俺の好きなチャーハンと酢豚だ。
「ジ~………」
箱型テレビの上に乗りながらジローがこっちを凝視している。
なんかの宗教にはまってやがるのか…?
俺は身の毛のよだつような気味悪さを覚えた。
「なんかジローおかしくねぇか?」
「………」
葵に訊いてみたがすぐにそっぽを向いた。
葵が妙なオーラを出していたため食卓は会話が少なく終わる。
俺は用を足しにトイレへ向かう。
「ジ~………」
ドアの隙間からジローがまた覗いてる…。
「おい!! さっきから何だよ!? 気持ち悪い」
するとジローは焦ったように前足を振りふりさせた。
「オ、オイラはロビンに言われ…」
途中まで言うと何かを思い出したようにハッと前足で口を抑える。
何だよ??
「いや~オイラリトの事が好きだから見ていたかったの~」
「へぇ~…悪いけど今日から渚の部屋で寝てくれ」
「あれ?? リトさんが目を合わせてくれないぞぉ~??」
「リトさぁーん?」
「誤解だってば!!」
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