朝はモーニン

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「大体…毎日寝るのが遅いんじゃねぇか…?」 この黒猫は肘を付いて寝転びながらだべってくる。 「はは~ん…女の子の事考えてムラムラして眠れなかったんだろ~この変態ぃ~」 ジロー小馬鹿にしたような笑みを永遠と続けていた。 俺は携帯を素早く手に取る。 ピッポッパ…。 プルルルル。 「どこに掛ける気だよ?」 「あっ保健所ですか?? 最近野良猫が発情期なのかうるさいんで引き取って貰えます~?」 「ちょっ!! オイラを売る気~!? 悪かったって!! 毎晩女の子の事考えてムラムラしてるって誰にも言わないからさ!!」 いっそのこと焼き殺してやろうか?? 「お詫びに昨日テレビで見たブレイクダンス見せてやるからさ!!」 「ミュージックスタート!!」 「チャラチャラチャラン♪」 ジローは歌いながらクルクル回り、更に回り、これでもかと言うくらい回り、奇抜な動きのダンスを見せてきた。 想像は難しいだろうが、雰囲気を掴んで頂けたら光栄だ。 「どうだ!? イケてるだろ?!」 「そうだな…?」 「そのまま首の後ろから手を回して右足を掴んで首を360度回転させたら誉めてやるよ」 「マジ? よぉーし!」 ジローが嬉しそうにチャレンジを始める。 「ジロー!! 遠まわしに死ねって言われてるから!! 気付いて!」 「何だよ? ロビン~そんな事ねぇって! もう…少しで出来そうなんだが……うお゛!!?」 グギッ!! 限界突破したな。 「もう…リト?? ジローをからかうのは止めてよ?」 ロビンがため息をつきながら寝違えたようになっているジローの首を治した。 ロビンは灰色と黒のしま猫であり、頭にピンク色のリボンを付けている綺麗な猫だ。 ジローと同じく二足歩行しやがる。 俺は信じて居ないのだが、猫は人が見ていないところでは二足歩行しているらしい。 ほんとかよ…。 「いやな…? ジローバカだから…からかい甲斐があるんだよ」 「やった~リトに誉められた~」 ジローは両手を高くあげながら嬉しそうにくるくると回った。 なぁ? バカだろ? 「じゃあ学校行ってくる」 俺は、シャツのボタンを閉め鞄を手に取った。 「えっ?? 学校行くのか?」 「当たり前だろ? 遅刻確定だけどな」 どうして誰も起こしてくれなかったのだろうか…。 「そうか…行きたいなら止めないけどな」 「どういう事だ??」 「今日日曜じゃん?」 ドガッ!! 「ギャ~!! 動物虐待じゃ~!!」
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