1人が本棚に入れています
本棚に追加
これがきっかけで『クラスメート』だった彼が『友達』になった。
私のクラスでの『友達』第1号は白石和仁(シライシカズヒト)。
結菜ともすぐに仲良くなって、「和君(カズくん)と呼ばれる様になった。
明るくて、優しくて、笑いを取るのが上手で、心を察するのが早い人だ。
だからやっぱり気付かれた。
「沙都さ~」
「何?」
「好きな人いるっしょ?…ってか…別れたの?」
「‼…何で?」
「うん。わかったよ。沙都会った時も…ずっと本当に元気だった事無いっしょ?」
私はもうこれ以上嘘はつけないと思った。
和君が真剣な目で私を見ていたから。
「……わかったかぁ~…誰にも言わないでね?」
「うん。俺人の事簡単にバラさね~もん。」
「中2の時から付き合ってた彼がいて、高校受験でそんな変わんない成績だったのに彼が落ちたの。それが理由でお互いの為に別れたの。」
「…そっか。」
「本当は大丈夫だって思ってたんだけど…やっぱお互いの不安があって…」
本当は私だって不安だった。
圭吾と別れたく無かった。
合格発表から別れるまでの1週間は2人共少しぎこちなかった。
「別れよう」なんて言われたくなくて無意識に無理にでも笑える様に努力していた。
少しずつ目に涙が溜まって来た。
「沙都…」
「は…ははっ駄目だよねっこんな…弱くちゃ…圭吾が不安になるのもわかるよっ…こんなに我慢出来ない彼女なんてさ…1週間も経って無いのに…泣いてばっかで…」
「沙都は悪く無いって‼」
和君は私の頭にポンッと手を置いてくしゃっと撫でた。
最初のコメントを投稿しよう!