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漫画とかだと、転校生が来たらよく主人公的な女の子の席の隣が『偶然』空いていて、その席に座ることが多い。
実際にそんなことがあるわけもなく…。
私の左は壁、前は人、右も人、後ろはすぐに壁だ。
私の近くには座らないということが数秒でわかった。
担任はどこにするかと悩み、廊下側から3番目、窓側から4番目の1番後ろ。
つまり机もなにもない只と空間、そこを転校生の席に指定した。
勿論机も椅子もあるわけがなく、学級委員の2人が机と椅子を取りに教室を出ていった。
その間、女子はずっと転校生の方を見ていた。
転校生は先生と話していたが。
「結構格好いい人が転入してきたね~」
私の隣の席の『奴』が話しかけてきた。
えぇっと…確か…名前……何だっけ…。
私は入学式の次の日にした自己紹介を思い出していた。
……ッ!!
そうだ、『神山 蘭』だ。
やっと私は思い出せた。
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