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一同が撤収を始めたその時だった。
隊員B「隊長!!レイア隊長!!」
レイア「どうしたの?」
隊員B「あちらに人が倒れていました!!酷い傷を負っています!!」
安堵感もつかの間の出来事だった。
こんな日にこんな場所で、人が倒れている状況に出くわすなんてなんという偶然だろう。
レイア 「こんなところに人が?年齢は?」
彼女は小走りで隊員に近付きながら聞いた。
隊員B「顔立ちから隊長と年が近い青年でした。」
レイア「倒れたその青年はどこなの?」
隊員は廃墟の町で発見された重傷を負った青年の救助を最優先に行動を始める。
隊員B「青年を見つけたのはあちらの方向です。急いでついて来て下さい。対応が遅れれば助からないかもしれません。」
レイア「わかった、案内して。」
彼女は青年がいる場所に近付くにつれ、景色の変化に気が付いた。
廃墟の町の建物は殆ど瓦礫と化しているが、ここ付近の戦場痕跡が目新しい。
その景色に気をとられていると、何かが足にぶつかった。
レイア「あ……。」
彼女は足元に倒れている傷だらけの青年を見つけた。
青年には酷い火傷痕が多々見受けられ、体の部位の大半が火傷痕による傷痕に覆われていた。
周囲の瓦礫と同じく、彼の傷痕はまだ新しい。こんな大雨の夜に火傷による重傷とは考えれば不思議なものだ。
此処で何があったのだろう。
青年の顔をよく見れば、鼻に古い切り傷もある。
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