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大村基地へ来て早くも半年、地上訓練が毎日だった剣崎たち2号生徒もとうとう飛行機に乗れるのだ。
飛行訓練前夜は興奮して、同室の奴らと騒いでいたら、原田教官に見つかり、注意を受けた。
原田教官は大村基地で1番優しいと言われる教官だ。
もし、鬼教官の田村教官なら、鉄拳の10発は軽かっただろう。
翌日、宿舎の掲示板に訓練の割り当てが貼リ出される。
飛行訓練は教官と2人1組で、九六式複座練習機を使う。教官は卒業するまで同じだ。
だから、みんな田村教官でないことを朝から祈るのであった。
剣崎は同室の浦沢、小島と朝食を摂った後、掲示板へ向かった。
小島「田村教官だけは勘弁だよな~」
浦沢「確かに」
剣崎「でも、小島は田村教官ぐらいじゃないと、上手くならんかもな」
小島「ほっとけよ。俺は原田教官がいいんだ」
浦沢「確かに、原田教官は優しいし、機銃の当て方は大村で1番らしいからな」
剣崎「田村教官のダイブ・ズームはどうだ?」
浦沢「確かに、あの田村教官らしい豪快なダイブ・ズームは1度やってみたいな」
小島「田村教官はもういい! 」
そんな会話をしていたら、掲示板が見えてきた。
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