大村基地

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浦沢「人が良さそうな教官だったな」 小島「でもよ、何で横須賀からわざわざ教官連れて来たんだ? 」 剣崎「臨時講師か何かだろ」 小島「でも、うちの基地は教官なんて不足してないぜ。ひょっとすると、前の事と関係してるんじゃないのか? 」 浦沢「確かに! それなら説明がつくな! 」 浦沢は合点がいったとばかりに手を叩いた。 前の事というのは、1ヶ月程前の事だ。大村基地に中将の階級を付けた御偉いさんが来た時の話だ。 小島が何で大村基地みたいな所にそんな人が来たのか気になって、司令室での話を盗み聞きしたのだ。 中将「海軍省ではアメリカとの交戦論が飛び交っとる。今からでも新人教育に力を入れた方がよさそうだな」 大原「私も戦争はもう避けられないと思っています。新人教育の件は優秀な教官員を増やし、1人の教官が担当する生徒を減らし、効率を上げたいと思っているのですが、やはり中華民国の戦線に人員を割かれているので、少々難しい状態なんです」 中将「なるほど。ならばこちらから優秀なのを1人送ろう」 大原「本当ですか!ありがとうございます」 そのような話を聞いて小島は宿舎に戻ってきた。
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