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僕は忘れない。
あの日信じた夢が過去の幻となっても。
僕は忘れない。
二度と戻ることのない時間。
一瞬のように過ぎ去ったあの季節を――
僕に残っていた慈悲の心からだったのか、ただの気まぐれからだったのか。
駅前で、滴る汗を拭うこともせず募金活動をしていた中学生に千円を渡した。
ありがとうございます、と気持ちのよいお礼に心が晴れたよう。
僕には何もない。
でもこれが当然のことなのだろうと、そう思って今まで生きてきた。
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