Bird/真理に捧ぐ

真理18歳

『なんかさぁ、二人とも幼いなぁって思ってたんだよ……まいった』
真理17歳、小柄で幼児体型の可愛い系、甘えた話し方。
有希17歳、小柄で細身の綺麗系、ハスキーな声。
その日は二人とも親と喧嘩をして、半家出状態。
喧嘩したら、しばらく家には帰らない、それが二人の習慣になっていると言った。
未成年の女の子が、夜に帰らないことに、不安をもたない親達。
あきらかに、普通じゃない。
僕の中の常識では理解ができない。
二人の親にとって、それは常識なのか……？。
同じ娘を持つ者として憤りを覚えた。

僕の車が、コンパニオン達の送迎の際に、他店スタッフに何度も見掛けられていた事や、他店の嫌がらせ目的から、Ｆの事務所探しが行われ、僕の顔は業界に知られていた。
どの組織にも属さない堅気の店が、地域一番店の座からいつまでも下りない事が、どうにも納得のいかない他店のネガティヴキャンペーンが、地域限定風俗掲示板で連日連夜、激しく行われていた。
身に覚えのない事ばかりが書き連なった僕についての書き込みに、怒ってみても始まらず、呆れながらも「これも有名店の証」と思うしかなかった。