存在イレイザー5⃣

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さて気を取り直して続きを。 大量の資料を前に渋々ながら共通部分があるか捜査するSTARSメンバー。 カルテと睨めっこして、遺品リストを血眼になりながら比較をする気の遠くなる作業が続いた。 それを続ける事、5時間が経過した。 外は秋だからか、陽の長さも夏とはめっきり短くなったようで、午後6時には暗くなっていた。 剱「流石に遺品リストを捜すと結構な数の共通点が見つかるな」 翠「ポイントカードとかレシートばかりだな」 出て来た物は、薬局のポイントカードやらコンビニのレシートばかりだ。 合計金額2329円。 預かり金2330円。 お釣り1円。 こんな感じ。 そんな時、さっきから資料を漁っていた蒼が何かを見つけたみたいだ。 蒼「これ…同じっすよね?」 剱「これは……名刺か。2つあるな」 蒼が見つけた物は、数人の遺品リストにあった2枚の名刺だった。 一枚は黒地に白字で「掃除屋」と名前の入った物。 もう一つは白地に赤字で「イレース」と書かれていた。 翠「掃除屋にイレース。聞き慣れない店だな」 茜「名前だけじゃ分からないね。そこに住所が載ってるから調べないとね」 黙っている玲も頷いて意思表示でOKを出している。 蒼が聞く。 蒼「また前みたいに分かれて捜査開始っすか?」 剱が少し困った表情を浮かべながら答える。 剱「まだまだこれだけのリストがあるからな…。取り敢えず3つに分けるか」 茜「3つって?」 剱「掃除屋とイレースの捜査と引き続きここの比較だ」 翠「どうやって配置をするんだ?」 剱はしばらく悩んでから、 そっと口を開く。 剱「掃除屋には蒼。イレースには茜。後はここで続きだ」 皆は素直に頷いた。 剱「じゃあ頼んだぞ」 またSTARSの捜査が始まった。 しかし、掃除屋とかイレースなんて絶対儲かりそうもないよな。 半年いくかいかないかだろう。 俺が店を開いたらどうなるか分かってる。 2ヶ月で自己破産だ。
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