おてまみ

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  春まだ浅く残寒肌をさすの候お元気でしょうか 此方は貴女と離縁してからと云うもの日々を楽しく過ごして居ります     貴女の虚言も虚勢も暴言も妄言も堪えて来たけどやはり不愉快にも限度が有るのです 蝙蝠と評価する事すら烏滸がましく狡猾で矮小で嘘吐きな貴女の側に長年唯々諾々と惰性で交友を築いて来た自身の愚かささえ憎らしいです   私の影は貴女に寄って創られ私の光は貴女以外の方に寄って創られたのです 私を押し潰して居たのは他ならぬ貴女でした   あちこちと飛び回り嘘を吐き散らして孤独は満たされたのでしょうか? 私を卑下して虚栄心は満たされたのでしょうか? 私はもう貴女の体の良い玩具では有りません。 私は私の意志で立ち、歩き、ものを云う事が出来るのですから。   追伸 私は唯あの時貴女と対等に存在したかっただけなのです もう少しだけ貴女が悪意の無い人間で有れば、もう少し礼儀を持って友を顧みる事が出来たなら、私達の歪んだ友情は或いは違った結末を迎えられたのでしょうね   それでは、お元気で
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