―第一章 朔詠閉話― Ⅱ

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「仰るとおりです……。師匠」  自分の想像通りことを『丁寧に』語ってくれる気味悪い師匠に一応、礼を言う。  全く、人の心を読むとはプライバシーも尊厳も関係ない。 「薫が私を師匠と呼ぶとは、これは雨が降るわね」 「はぁ……アンタは俺の会いたくない人ランキングのトップ3の常連さんっスよ。聖子さん」 「それが命の恩人に言う台詞? 前々から言っていたよね……。君は口が悪い」 「命の恩人っていうのは生死の危機を助けてくれた人に言う言葉で、俺は一度死んで聖子さんが蘇らせた、この場合は違う言葉を使うべきです」 「その左胸の傷をもう一度空けてやってもいいのだけど?  というか、大変だったんだから、心臓抉りだされて潰された人間の改造なんて、もう二度とやりたくない。  錬金皇軍からホムンクルスの実験用データとサンプル回してもらって、ソレを独自にミズチと私で研究及び改良……そして人工心臓の移植。  その上、君の精神をサルベージと……。こんなことならゾンビを一体造る方がよっぽど簡単よ」  改造やら移植やら……俺は仮面○イダーにでもされんのか?   目の前の師匠ずらした女は、あくの組織の下っ端戦闘員で……
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