―第一章 朔詠閉話― Ⅱ

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「The United Kingdom of Great Britain and Northern Irelando」 「確かにビッグ・ベンが見える。……ロンドンか」  部屋に備え付けのテレビからニュースが流れる。  言っている内容は詳しくは解らない。イギリス人キャスターがペラペラと『いんぐりっしゅ』を話し続けている。  どこかに翻訳機械は無いものか。こうも、聞きなれない言葉ばかりだと日本語が恋しくなるじゃないか。  だが、ニュースの内容は喜ばしい事ではないことは明らかだ。 「九人目の犠牲者が出たらしいですね」 「九人目……?」 「はい。現代に蘇ったジャック・ザ・リッパーなんて呼ばれてます。  若い女性だけを殺し、その殺された女性全ての首筋に歯形が在りそこから全身の血液が全て抜かれていたそうです」 「なら、ヴァンパイアとかの方が正しいだろ? チュパカブラとか……」  吸血鬼とUMAでは、伝奇とSFの違いになってしまうがこの際、どうでもいいか。  どっち道、倒すことになるだろうし、どう化物どもが足掻いた所で最強の捕食者は人間だ。俺は史上最強の化物を一人知っている。
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